菖蒲池(しょうぶいけ)

現在沼地と化している菖蒲池
面積 281m2
現在沼地と化し、昔日の面影なく、萱、菖蒲混生

 むかしこの池の近くに仲の良い若夫婦が住んでいた。ところが、不幸にも夫が肺病にかかり、妻はできるだけの力を尽くして食事や医薬の世話をしてやったが、夫の病は重くなるばかりであった。妻はもう神仏に助けを求める以外にないと考え、この池の水を浴びて身を清め、一心不乱に祈願した。すると、ちょうど37日目に「池の菖蒲をとって夫の身に巻けば、夫を苦しめている病魔は必ず退散する」という神のお告げがあった。
 妻はお告げのとおりにしてやると、重病だった夫の病も日増しに熱が下がり、食べ物もたべられるようになって、起きて出歩くようになり、一ヶ月たたないうちに全快したといわれている。
 毎年旧正月14日には筒粥の神事をこの池で行い、年内五穀の豊凶を占ったともいわれている。
 八海めぐり第8番の霊場で、優鉢羅竜王(うはらりゅうおう)をまつり、石碑には「あやめ草名におふ池はくもりなき さつきの鏡みるここちなり」との和歌が刻まれている。